2015年9月3日

ヘッジファンドの能書きは話半分ぐらいに聞いておけ

ブルームバーグによると、新たに「行動理論」を応用したヘッジファンドが登場するそうです。

元クレディ・スイスのバンカー、新ヘッジファンドは「行動理論」活用(ブルームバーグ)

「行動理論」活用の中身がさっぱりわかりませんが「なんだかスゴそう」と思わせようとしていることだけはよくわかります。まあ、この手の能書きは話半分ぐらいに聞いておくべきです。なぜなら、投資はそんなに計算通りにはいかないからです。

なんでも新ファンドは、行動理論の活用で「変動性を10%未満に抑え年間リターン12-15%を目指す」そうです。すごいですね(笑)。マネジングディレクターも自信満々です。
「変動性を低くし最小の市場エクスポージャーで株式並みのリターンを出すことが目標だ」とマネジングディレクターのエドワード・ムーン氏は話した。
まあ、目標に向かって頑張ってくださいとしか言いようがありません。でも、実際に投資についてよくわかっている人は「変動性10%未満で年間リターン12-15%」と聞いただけで苦笑するのが現実でしょう。そんなに簡単に儲けられるなら、だれも苦労しないわけです。

投資初心者は「ヘッジファンド」と聞いただけで「なんだかスゴそう」と思うかもしれませんが、ヘッジファンドもピンからキリまであって、次のようなニュースも伝えられています。

中国対象のヘッジファンド、8月の運用成績は過去16年で最悪(ブルームバーグ)

結局、相場は計算通りにはいかないのです。どれほど高度な投資理論を駆使しても、損するときは損する。だから、ヘッジファンドの能書きなどは、話半分ぐらいに聞いておけばいい。あまり幻想を持ちすぎると、今度は投資詐欺に引っかかる危険性があるので、気を付けたいものです。

そういえば、かつてアメリカにノーベル経済学賞を受賞した経済学者まで参加し、最新の金融工学を駆使して運用するヘッジファンドがありました。最終的には破綻しましたけど。やっぱり相場は計算通りにはいかないのです。



でも、運用が失敗してビジネスが破綻するときの人間模様には、計算を超えたドラマがあります。「すべての幸福な家庭は互いに似ている。不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である」(トルストイ)ということでしょうか。金融工学や投資理論よりも、こちらのほうがよほど人生勉強になる味わいがあります。

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