2016年5月13日

『米国会社四季報2016年春夏号』―米国株投資の必携書



米国の個別株に投資する場合、必携書といえるのが「週刊東洋経済」の臨時増刊として出ている米国会社四季報です。私も今年から米国株投資に挑戦しているので、もちろん最新の米国会社四季報2016年春夏号を買いました。これ1冊を手元に置いておけば、米国の主要個別銘柄の基礎的なデータを一覧できるので非常に便利。実際に株を買うかどうかは別にして、つらつらと眺めているだけで日本ではなじみのない米国企業の存在を知ることもでき、米国株式市場の奥行を知ることもできます。役に立つ上に楽しい1冊でもあるのです。

本書は、米国株式市場の主要インデックスであるS&P500指数採用銘柄466社(日本からは取引できないREITを除く)に加え、2014年以降にIPOした新興銘柄16社、日本で知名度が高かったり米国で話題になっている164社の計639社が収録されています。また、ETF編として日本で購入可能な241銘柄も紹介されています。業績・財務データだけでなく企業概況なども要を得て簡便に記述されていますので、初めて知る会社についても大まかイメージをつかみやすい。

また、巻末に収録されている「時価総額トップ50」「売上高トップ50」「純利益増益額トップ50」「連続増配年数トップ50」「高配当利回りトップ50」「低PBRトップ50」「低PERトップ50」「高ROEトップ50」「フリーCF高増加率トップ50」「ネットキャッシュトップ50」のランキングも、リアルタイムのデータからはタイムラグがあるとしても、銘柄選択のための基礎的なスクリーニングにはとても役に立ちました。

巻頭特集もなかなか面白かった。今回は、米国株個人投資家座談会が収録されており、米国株投資をしている4人の個人投資家が登場します(うち2人はブログもやっているバフェット太郎さんとてくさん)。ひとことで米国株投資といっても、その手法は様々なで、登場する4人の個人投資家それぞれの個性が出ていて興味深かったです。どんな投資手法を採用しても、ちゃんと成り立つあたりが米国の株式市場の懐の深さなのかもしれません。

ETF編も、ある意味で圧巻です。とにかくビックリするくらい様々な種類があります。米国ではETFを使って投資できない分野がないのではないかとも思えるほど。同じようなETFが乱立している日本とは大違いです。海外ETFへの投資を考えている人にとっても本書はとても参考になるでしょう。

とりあえず本書を座右に置いておけば米国株投資の銘柄研究の第一段階はクリアできます。ここである程度あたりをつけたら、あとはYahoo!Financeを使って直近のデータを確認するというのが私の銘柄選択の基本的なやり方です。そんなわけで、米国株投資のための必携書として人にも安心して推薦できる1冊だといえるでしょう。

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