2016年7月2日

とにかく“名門”が好き―保有個別株のポートフォリオ(2016年6月末現在)



Brexitショックもあって株価は大幅に下落したわけですが、その後はジワジワと戻しています。少しずつですが事態を市場が織り込みつつあるということでしょう。そう考えると、6月最終週というのは久しぶりの買い場だったのかもしれません。私はインデックス投資に関しては積立投資派なのですが、個別株は一回の投資額が大きくなってしまうので、どうしてもある程度のタイミングを見計らって、安値玉をコツコツと拾っていくという手法をとっています(実際は、一段の下落に見舞われ含み損が拡大するケースも多いのですが)。そんなわけで先週は少しばかり日本の個別銘柄への追加投資と新規投資を行いました。せっかくですので現在の保有銘柄の中身を紹介したいと思います。

現在、日本と米国の個別株を複数保有しています。保有銘柄は以下のようになります(カッコ内は証券コードとティッカーシンボル)。

【日本株】
日清紡ホールディングス(3105)
クラボウ(3106)
クラレ(3405)
住友商事(8053)
日本郵船(9101)
NTTドコモ(9437)
関西電力(9503)

【米国株】
エクソン・モービル(XOM)
ボーイング(BA)
ゼネラル・エレクトリック(GE)
ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)
マイクロソフト(MSFT)


このうち、先週はクラレを買い増し、日清紡ホールディングスを新規購入しました。クラレはNTTドコモと並んで私の日本株投資のコア銘柄です。株価がやや下げていたので、配当利回り、PER、PBRの観点から割安になったと判断し買い増しました。高機能樹脂・フィルムで世界的に高いシェアを持っているところを評価しています。財務内容もピカピカです。

新たに投資した日清紡ホールディングスは、かつては名門繊維会社でしたが、現在では無線通信機・半導体とブレーキ摩擦材を主力事業とします。今後、IoTなどの発展で無線関連には大きな可能性があるような気がします。また自動車などは今後、電気自動車の普及で業界構造が大きく変化する可能性があるのですが、ガソリンで走ろうが電気で走ろうが、停止するためのは必ずブレーキが必要ですし、自動運転が発展すれば、じつはブレーキ関連の技術がますます重要になるというのが長期的なストーリーです。

米国株については以前にも書いたようにエクソン・モービル、ゼネラル・エレクトリック、マイクロソフトがポートフォリオのコア銘柄となります。このあたりも買い増ししようとドルを用意していたのですが、日本株以上にBrexitショック後の回復が早く、ちょっと買いそびれました。まあ、買付余力を強化しましたので、いずれ押し目を拾っていきたいところです。

個別株投資で心がけているのは、可能な限り業種やセクターを分散すること。とにかく特定銘柄に集中投資しないことです。このあたりの事情は先日、日経ヴェリタスにも取り上げられましたし、このブログでも紹介しました。

震災で関電株暴落 分散投資始める(NIKKEI STYLE)

【関連記事】
「日経ヴェリタス」の「個人投資家 七転び八起き」で紹介されました―なぜ分散投資を始めたのか

だから、投資金額のわりには保有銘柄数は多い方でしょう。業種・セクターも日本株は「電気機器」「繊維」「化学」「卸売業」「海運業」「情報・通信」「電気・ガス業」、米国株は「エネルギー」「資本財」「医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス」「ソフトウェア・サービス」となり、かなり分散できていると思います。強いていうならば食品・生活必需品や小売業などのセクターが欠けているのですが、これは個人的にB2Cビジネスへの投資が好みでないから。

しかし、こうやって並べてみると私の銘柄選択の嗜好性も見えてきます。それは、とにかく歴史と伝統のある“名門”企業が好きということ。私は個別株というのは代々受け継いでいくものだと考えているので、投資対象もそれに耐えうる歴史性を持っていないと食指が動かない。個人ではなく“家”として付き合うわけですから、相手の家柄が大事。そんなわけで、えらくコンサバティブなポートフォリオになってしまいました。

ちょうど最近は日本企業の株主総会の時期なので、配当金支払いの連絡と株主通信が送られてきます。歴史と伝統のある名門企業が自分の所有物になっているのだと実感できるので、実に気分爽快。これこそ投資信託やETFでは味わえない、個別株投資ならではの楽しみ、“所有する喜び”なのです。
(本稿は特定銘柄を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。)

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