2016年7月21日

なぜ資産形成が必要なのか―2016年7月の個人型確定拠出年金積立と運用成績



今月から心機一転、移換したSBI証券確定拠出年金積立プランでの積立がスタートしました。きちんと引き落としができているか心配だったのですが、7月も無事に約定していました(6月拠出分)。ただ、6月と7月は移換作業によって口座内の資金が一時的にゼロになったり不安定なため正確な運用成績は算出できませんでした。そこで運用成績の報告は今月はスキップします。そのかわりちょっと指摘しておきたいことがあります。確定拠出年金の加入資格者が来年1月から大幅に拡大されるわけですが、そもそもなぜ国は税収減につながるにもかかわらず、確定拠出年金(DC)制度の拡大を進めているのかということです。この点に関して、先日も紹介した『週刊エコノミスト』2016年07月26日号の森信親金融庁長官インタビューに極めて重要なコメントが含まれていました。それはDCに限らず、なぜ資産形成が必要なのかという問題に対する国からの明確なメッセージと解釈できるものでした。

今月買付けたファンドは、以下の通りとなります(カッコ内は税抜信託報酬)。拠出額は毎月23,000円です。

【個人型確定拠出年金(SBI証券)】
インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)(0.26%)
三井住友・DC外国債券インデックスファンド(0.21%)
三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(0.52%)
ニッセイ日経225インデックスファンド(0.25%)
DCニッセイ外国株式インデックス(0.21%)
EXE-i新興国株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.142%程度)
EXE-iグローバル中小型株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.124%程度)
EXE-iグローバルREITファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.138%程度)

当面はこのポートフォリオ配分で受給資格を得る60歳に向けてコツコツと積立を続けていくことになります。
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さて、個人型DCは掛金全額が所得控除されることによる課税繰り延べ効果が大きく、給付時にも退職所得控除や公的年金所得控除が適用されることで、かなりの節税効果が期待できる制度です。それは言い換えると、DCが普及すれば国の税収は減るということ。これだけ財政悪化が叫ばれている国が、なぜこんな制度を拡大したのでしょうか。この疑問に対して、金融庁の森長官がインタビューで語った次の言葉は、極めて核心を突いています。
老後の資産をいかに形成するかは、日本の今後の重要な問題です。公的年金など公的扶助の仕組みにはおのずと財政的な制約があるからです。貯蓄を賢く分散投資して資産形成するための土壌を、今こそ作っていくことが必要だと考えています。(強調は引用者)
サラリと重大なことを話しています。これは言い換えると、公的年金などは財政的な制約から減額せざるを得ないと解釈できるからです。だから、自助努力による資産形成が必要ということですが、この言葉は金融機関の人間や評論家、はたまた個人ブロガーなどが勝手に発したものではありません。金融庁長官という行政府の高官の口から直接発せられたということの重大さに気づくべきでしょう。

いつも言っていることですが、社会を構成する前提である相互扶助とは、公助・共助・自助のバランスで成り立っています。どれかが弱まれば、別のなにかを強めないと社会は成り立たない。日本は今後、公助に制約がある以上は自助を強化するしかないのです。そこにこそ、なぜ資産形成が必要なのかという問いの答えがあります。そして国も、そのために全力でバックアップしようとしている。近年、金融庁を中心に日本の投資・運用業界の改善に向けた国の働きかけが強硬なのも、つきつめればそういった大方針が前提になるということでしょう。

そういう意味でも、個人型DCというのは老後の資産形成に向けたもっとも有力なツールです。なにしろ国の制度ですから。べつにリスク商品で運用しなくてもいいです。DC口座で元本保証商品だけを積み立てたとしても、課税繰り延べ効果だけでもかなりお得になるでしょう。そして60歳まで換金できないという流動性の低さも、老後に向けた資産形成のツールという観点からは利点にすらなります。国から明確なメッセージが発せられている以上は、あとは国民がどう行動するかが問われていることだけは間違いなさそうです。
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