2017年2月19日

「ぼくのかんがえたさいきょうのとうしほう」には気をつけたい



投資の世界は基本的に不確実なものなのですが、それだけにかえって「少しでも有利な投資法を見つけたい」という気持ちになるのは人情というものです。ところがそれをこじらすと、だんだんと極端なことを言い出すのは、やはり人間の思考の悲しい性なのでしょう。投資の大原則は「分散」だということは分かっていながら、いつの間にか特定資産クラスへの集中投資が有利だと思い込んでしまう。さらにそれが高じると「●●に投資するのは無駄、間違い」とまで言ってしまう。でも、そういう極端なやり方は「ぼくのかんがえたさいきょうのとうしほう」ですよ。

国際分散投資の有効性ついては定期的に反論が登場します。だいたいパターンは一緒で「海外資産への投資は米国株だけでいい」「新興国は不要」といったもの。逆に「日本人は円で生活しているのだから、日本株だけで十分」というのもたまにあります。いずれも極端すぎる点に違和感を持ってしまう。その点でKenzさんが分かりやすいデータを定期的に紹介してくれています。

主要8資産の年間パフォーマンスからわかる国際分散投資の重要性(インデックス投資日記@川崎)

これは非常に面白くて、2016年の年間パフォーマンスを見ると新興国株式と新興国債券が大健闘です。思い返すと2016年が始まったことろは「新興国はダメだ」と盛んに言われたものです。それほど投資の成果を事前に予想するというのは難しいことなのです。

だから、国際分散投資の方法として、やっぱり幅広い資産クラスの分散投資させるというのが正しいやり方。Kenzさんが引用している日興アセットマネジメントの「過去の好パフォーマンス資産から考える」の中の次の指摘は非常に明快なのです。
過去の主要資産の年間パフォーマンスの推移を振り返ると、パフォーマンスの良い資産は一定ではなく、また、各資産の騰落には法則性もみられません。そのため、中長期において運用成果を向上させるためには、好パフォーマンスをあげる資産を当てることに重きを置くのではなく、個人のリスク許容度に合わせて、国内外の幅広い資産に分散投資を行なうことが重要といえそうです。
これは「ぼくのかんがえたさいきょうのとうしほう」とは根本的に違います。投資の歴史は恐らく文明の歴史と同じくらい古いのですが、その歴史の中で人類が営々と研究してきた結果が「分散投資」なのですから。その意味で「国際分散投資」こそ本当の意味で「最強の投資法」だと思います(損しないという意味じゃないですよ)。

では「ぼくのかんがえたさいきょうのとうしほう」と、人類が長い歴史の中で作り上げた「国際分散投資」の「どちらを信じますか?」ということ。普通の人ならすぐに分かります。だって、ジャンプ漫画でも「俺が編み出した最強の拳」なんてセリフを吐くキャラはだいたいザコで、「北斗神拳二千年の歴史」の前に指先一本で瞬殺されるのがパターンですから(もっとも我流の拳でも強い人はいます。男塾の富樫とか虎丸とか。投資も同じで、それが才能というものです)。

だから、定期的に登場する「ぼくのかんがえたさいきょうのとうしほう」には気をつけたい。とくに極端なことを言う人を私は信じません。だって、世の中はそんなに単純ではないのですから。

さて、「新興国投資不要論」が言われる中でも、私は「新興国投資大好き人間」なので、ずっと新興国オーバーウエートです。まあ、これも一種の「ぼくのかんがえたさいきょうのとうしほう」のような気がしないわけでもありませんが。そこで実際に新興国に足を運んで、現地の様子を感じることにします。20日から1週間ほど仕事でインドネシアとマレーシアに行ってきます。そのためブログの更新頻度は落ちると思いますが、少しは現地からのレポートも書こうと思っているので、よかったら読んでください。

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