2017年3月18日

大和証券がiDeCo新プランを発表―運営管理手数料は良心的だが商品ラインアップにクセがある



大和証券がこのほど個人型確定拠出年金(iDeCo)の新プランを発表しました。4月3日から旧プランの受付を停止し、新プランでの受付を開始します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の新プラン提供開始について~iDeCoを通じた「証券貯蓄」の普及に向けて(大和証券)

「証券貯蓄」という言葉を打ち出してきたところはなかなか興味深いです。iDeCoで金融機関を選ぶ際のポイントとなる運営管理手数料も残高50万円以上で無料になるなど良心的。ただし、商品ラインアップを見ると、少しクセがあって、ちょっと評価が難しいという印象です。

大和証券グループは今年、SBIグループの記録関連運営管理機関(レコードキーピング会社)であるSBIベネフィット・システムズに資本参加するなど業務提携を進めてきました。iDeCo新プランも記録関連運営管理機関をSBIベネフィット・システムズに変更して立ち上げたものです。

このため最大の特徴は運営管理手数料の安さとなります。通常は月額324円ですが、iDeCo口座での残高が50万円以上となると無料。これはSBI証券のiDeCoプランと同じ仕組みです。楽天証券iDeCoプランの残高10万円以上で無料と比べればやや劣りますが、それでも十分に魅力的な運営管理手数料水準といえるでしょう。

一方、もう一つの焦点である商品ラインアップを見ると、ややクセがあると感じました。2017年3月段階での商品ラインアップは以下のようになっています。



てっきり「iFree」シリーズでも投入してくるのかと思っていましたが、旧プランと同様にインデックスファンドは「DCダイワ」シリーズです。決して悪い商品ではありませんし、主要アセットクラスを網羅しています。しかし、やはり信託報酬水準が現在のiDeCoプランとしてはやや平凡です。やはり「iFree」シリーズを投入した方がよかったのでは?

そして、これはちょっと問題だと思うのが、アクティブファンドの品揃え。とにかく高コストなファンドばかりです。いまどき信託報酬が2%近いファンドなど、通常の課税口座でも買うのはためらわれます。それをiDeCoでラインアップするというのはいかがなものか。しかも、なぜか中国株やロシア株、ブラジル株など単独の新興国の株式に投資するアクティブファンドばかりそろっているのも解せません。

こういうラインアップに初心者は注意が必要でしょう。低コストなインデックスファンドでコアポートフォリオを作り、その味付けとしてアクティブファンドを少し組み込むというのは方法としてはありですが、さすがに信託報酬が2%近いファンドを組み入れてしまえば、下手をするとコアポートフォリオのリターンを毀損してしまいます。

また、インデックスファンドに新興国株式ファンドがないですから、それならばと中国株やロシア株、ブラジル株に投資するアクティブファンドをポートフォリオに組み込むという考えも避けたほうがいい。新興国への投資は重要だと思いますが、新興国は先進国以上に国によっての浮き沈みが激しいので、絶対に幅広く分散投資することが欠かせないからです。

こうしたことを考えると大和証券のiDeCo新プランは、ちょっと評価が難しい。運営管理手数料が無料になる点は大いに評価できるのですが、商品ラインアップが残念です。運営管理手数料を抑えたいなら、素直にSBI証券か楽天証券のiDeCoプランを選ぶべきです。ネット証券が信用できないという人なら、運営管理手数料こそかかりますが、みずほ銀行や三井住友銀行、りそな銀行のiDeCoプランも選択肢になります。

すると大和証券のiDeCoプランというのは、とにかく運営管理手数料は抑えたいけれども、ネット証券は信用できないという人にとって有力な選択肢になるのでしょうか。これはこれで、なかなかユニークな立ち位置になるかもしれません(もっとも、実際に大和証券がネット証券よりも信用できるかは別の話ですが)。

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